2013.02.19
KINGDOM OF HEAVEN 邦題:キングダム・オブ・ヘブン
十字軍遠征の時代に、エルサレムで理想の国造りを追い求めた一人の騎士を描いた歴史物。749本目の映画投稿です。
12世紀のフランス。鍛冶屋のバリアン(オーランド・ブルーム)の元に遠征中の十字軍が訪れます。その日はちょうど、彼の若い妻が自らの命を絶った日でした。
騎士団のリーダーで勇敢で知られる騎士ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)から実の息子であることを知らされたバリアンは、一行と共にエルサレムに向かうことにします。
戦死した父の意思を継ぎ、理想の国「キングダム・オブ・ヘブン(天国の王国)」を築くことを夢見て、バリアンは絶望的な運命を背負ったエルサレム王ボードワン4世(エドワード・ノートン)に忠誠を誓います。
ある日、彼の領地を訪れた王の妹シビラ(エヴァ・グリーン)と恋に落ちますが、父から託された使命と誓いを守るため、王の勧めにもかかわらずシビラを妻とすることを拒みます。
しかしエルサレムとその周辺は、キリスト教下のエルサレム王とイスラム教国サラセン帝国王サラディンの微妙なバランスの上に成り立っていたのでした。
十字軍と言えば学生時代に世界史でお勉強しましたよね。1096年に始まった第一回遠征でエルサレムにキリスト教下の国家が誕生しますが、約100年後の1187年にはムスリムの英雄サラディーンによってイスラム世界に組み入れられます。
本作はその頃のエルサレムでの出来事を、一人の騎士を通して描いた歴史スペクタクルです。
監督は、「ブレードランナー」を始め、「G.I.ジェーン」「グラディエィター」「ブラックホーク・ダウン」などの名作を監督したリドリー・スコット。「トップガン」「エネミー・オブ・アメリカ 」のトニー・スコットのお兄ちゃんです。
作品自体は、さすがスコット監督の手による素晴らしい映像、カメラワークです。が、残念ながら物語としては、十字軍とかエルサレムの意味を提示することも無く、また主人公像もやや弱く、かつ物語りはやや複雑なので、出来としてはヒーローものでもなく大スペクタクルというほどでもなく、ちょっと中途半端な感じ。
登場人物の関係や展開の行方に惑わされている間に、主人公に感情移入する間もなく物語りはエンディングを迎えます。
このあたりは、ピンのオーランド・ブルームでは致し方ないのでしょうが、「ロード・オブ・ザ・リング」はやっぱりすごい作品だったなと思ってしまいます。
目線がエロいヒロインのエヴァ・グリーンは、翌年「007カジノ・ロワイヤル」に大抜擢された女優さん。ただ、兄弟そろって女性を美しく見せるのが苦手な監督さんゆえ、アピールはイマイチ!?
歴史物好きの方に。オーランド・ブルームのファンの方に。
出演:オーランド・ブルーム,エヴァ・グリーン,ジェレミー・アイアンズ,ブレンダン・グリーソン,マートン・コーカス,デイヴィッド・シューリス
監督:リドリー・スコット 2005年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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