2013.03.10

Movies

GELIEBTE CLARA/CLARA 邦題:クララ・シューマン 愛の協奏曲

シューマンの妻であり自身も音楽家であるクララとブラームスとの3人の関係を描いたドラマ。ドイツ・フランス・ハンガリー合作。755本目の映画投稿です。

ハンブルグのコンサートホール。シューマン作曲のピアノ協奏曲の演奏を終え喝采をあびるクララ・シューマン(マルティナ・ゲデック)を見守っていたのは、夫のロベルト・シューマン(パスカル・グレゴリー)と、若き無名のヨハネス・ブラームス(マリック・ジディ)でした。

clala-shuman.jpgシューマン夫妻に取り入りたいブラームスは彼らに声をかけ、自らピアノを演奏する貧困街の波止場の酒場に二人を誘います。貧民に装飾品を奪われながらも、クララはヨハネスの才能を見抜きます。

新たに交響楽団の音楽監督の職を得たシューマンと一家は、翌日デュッセルドルフに到着します。

これまで暮らしたことのないような大邸宅に家政婦と料理人のいる生活。クララは7人の子供たちの世話や家事から解放され、作曲を再開できる喜びに溢れていました。

しかしロベルトは、あくまでも自分の妻であることを求めます。そしてその頃から、ロベルトの持病である頭痛が再発します。指揮も作曲もままならない状態を見かねたクララは、彼の変わりに楽団員の練習のためにタクトを振ります。

そんなある日、ブラームスがシューマン邸を訪れます。たちまち子供たちの人気者になったヨハネスは邸宅に留まる事になり、シューマン一家とブラームスとの奇妙な共同生活が始まります。

「子供の情景」「幻想曲」など後世に残る数々の名曲を残したロベルト・シューマンは、梅毒がもとで精神に生涯をきたし、治療中にこの世を去ります。

生前から彼らと交友のあったブラームスとクララの恋バナはまことしやかに語られ、ロベルトの死後ブラームスは誠実な友人として残された家族と接し、自らも生涯独身を通したと言うお話。

しかし実際のところそのような話はどうもなかったようで、あくまでも後世の逸話と言うのが研究家の一致した見解です。

本作はそんな恋バナをクララを中心に描き、ブラームスの末裔に当たるヘルマ・サンダース・ブラームスがメガホンを取った作品です。

主人公クララを演じるのは、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「善き人のためのソナタ」で国際的に脚光を浴びたマルティナ・ゲデック。美貌の女優と言うだけでなく、実際のクララともよく似た女優さんです。

クラシックの大御所をその音楽だけを通してみるよりも、実際の私生活を通して逆に音楽に触れるとまた違った聞き方ができるのは確かです。

しかし正直、私にはどうでもいいなと言う感じのお話。それはもしかするとまたぞろ私の琴線が女流監督の演出にまったく反応しないという悪癖のせいかも知れません。

自らも音楽家であった19世紀の音楽家の妻の、ひとりの女性としての生き様を描いた作品としてみれば、また違った見方もできたのかもしれませんが、どうも「クララ」という先入観があってそれもなかなか難しい。

ということで、クラシックにあまり詳しくない女性の方に、クラシックに触れるために観て頂ければよいかなと。それ以外の方はお好みで・・・。

出演:マルティナ・ケデック,パスカル・グレゴリー,マリック・ジディ,アリーネ・アネシー,ブリジット・アネシー,マリーネ・アネシー

監督・脚本:ヘルマ・サンダース・ブラームス 2008年


BOSS的には・・・★★☆☆☆

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