2013.03.20

Movies

Modern Times 邦題:モダン・タイムス

「街の灯」に続くチャップリン主演映画。資本主義社会で人間の尊厳が失われてゆく様を、悲しくもユーモラスに描いた彼の代表作の一つ。757本目の映画投稿です。

チャーリーは巨大な工場で工員として働いていました。単調な仕事の連続、経営者からはさらなる効率を求められとうとう気がおかしくなって病院に入れられます。

moderntimes.jpg完治して退院することになりますが工場はクビになり、とぼとぼと通りを歩いていると暴動の群衆に巻き込まれ、首謀者として逮捕されて投獄されてしまいます。

収監中にふとしたことで牢獄破りの一味を捕らえ、褒美に贅沢な独房を与えられ不自由の無い暮らしが始まりますが、ある日無罪がわかって釈放されてしまいます。

不器用な彼は造船所への就職にも失敗し、再び牢獄に戻る算段をします。ある日パンを盗んだ少女を見かけ、自分が犯人だと身代わりに警官に引き立てられます。

1929年に世界を襲った大恐慌。本作はその7年後の作品です。

資本主義の仕組みに組み入れられ、働く人たちの人間性までが搾取され、不況になればそこから締め出される普通の人々。

チャップリンの演じる青年は、あまりにも不器用なため現実離れしていて、そこがまた映像としておかしいわけですが、デフォルメされているとしたら、それはわれわれ普通の(?)人間でもあります。

そういう意味では本作は、普通の人々の喜怒哀楽と希望を描いた「ヒューマンドラマ」のはしりであり、チャンプリンのあの独特の演技力だけではない、プロデューサーとしての先見性や世の中に対する優しいまなざしを感じます。

共演の美しい女性ポーレット・ゴダードは、当時の事実婚のお相手。

渡米、赤狩りなど、さまざまな苦難を乗り越えて、イギリス人ながらハリウッドに多大な貢献と存在感を残した彼はまたマルチプレイヤーでもあり、本作でも彼の作曲したテーマ「スマイル」は、皆さんもよくご存知の美しいメロディの曲。ナット・キング・コールやマイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロスやエルヴィス・コステロのカバーも有名ですよね!

出演:チャールズ・チャップリン,ポーレット・ゴダード,ヘンリー・バーグマン,チェスター・コンクリン

監督:チャールズ・チャップリン 1936年

作曲:チャールズ・チャップリン

BOSS的には・・・★★★☆☆

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