2013.03.19
「片道燃料のゼロ戦じゃ戦えない!」
先日の某国営放送の夜のラジオ番組「渋谷アニメランド」に、劇場版「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」などのプロデュースで有名なアニメ―ション・プロデューサーのプロダクションIG代表取締役社長石川光久さんが出られていました。
「攻殻機動隊」は熱狂的ファンですので、興味を持って聞いていたのですが・・・
番組内で彼は、
「ゼロ戦は片道燃料しか積まないで戦っていたけど、そんなんじゃ戦えるはずがない。僕たちは往復の燃料を積んで戦う云々・・・」
ちょっと待ってください。片道燃料というと特攻の事だと思うのですが、特攻はまさに決死の覚悟で出撃したから、物資不足を考えて片道しか積んでなかった。
特攻でも通常戦でも、終戦間際は劣悪な燃料しか手に入らず、エンジンオイルは戦前にアメリカから輸入した古い自動車用のものを使っていて、優秀なエンジンにも関わらずその性能を十分発揮できず、もちろん途中でエンジン不調で帰還できない機体も数多くあったと聞きます。
彼らがそのような苦言を言ったでしょうか?飛行機も燃料も、そして命さえも、今そこにあるものの限りを尽くして、国のために、故郷の両親の為に、彼らは精一杯戦いました。
この石川さん、成功者だと思うのですが、私と同年代でありながらかの大戦に対する認識はその程度。そして現在、東大大学院情報学科の非常勤講師だそうですが、大学生にそのような誤った情報を教えているのでしょうか?
最近、歳をとってきたせいか、どうもこの辺の話題に対して敏感に反応してしまいます。