2013.04.04
邦題:陰陽師
平安時代の京都を舞台に、陰陽道の官氏・安倍晴明の活躍を描いた時代活劇。760本目の映画投稿です。
謀反の罪をかけられて憤死した早良親王の怨霊によって封じられた長岡京を捨て、兄の桓武天皇が平安京に遷都してはや150年が経ちました。しかし都には未だに鬼や妖怪が跋扈していました。
そんな悪霊を秘術によって鎮めるのが、官氏である陰陽師の役目でした。
ある日、帝(岸部一徳)と左大臣である藤原師輔(矢島健一)の娘、女御任子(国分佐智子)との間に産まれた親王、敦平が原因不明の病いに伏します。
右近衛府中将、源博雅(伊藤英明)から依頼を受けた陰陽師の安倍晴明(野村萬斎)は、早良親王の塚を守る為に、人魚の肉を食して永遠の命を授かった青音(小泉今日子)を連れて内裏に上がり、敦平の体内の邪気を青音に移してその命を救います。
敦平に呪いをかけたのは、晴明と同じ陰陽師の頭を勤める道尊(真田広之)でした。都の転覆を図る道尊が次に狙いをつけたのは、右大臣・藤原元方(柄本明)の娘、更衣祐姫(夏川結衣)。彼女を操って帝と敦平親王の命を奪おうと言う魂胆でした。
平安時代、政を行うのに占星術などの占いを参考にしていたのは、当時の文化流入の元である中国の影響でしょう。
平安時代、本作のように鬼や妖怪が跋扈していたと信じている方は、芥川龍之介の「羅生門」の影響でしょうか?
そしてこの時代の実在の人物と言われる安倍晴明の活躍を描いた和製歴史SFアクション作品です。
何と言っても話題となったのは、主演の野村萬斎と伊藤英明、真田広之という男前3人組。もうこれだけで、一部の女性ファンにはビートルズか歌舞伎座レベルの熱狂振り。
原作は夢枕獏の同名小説。その後、コミックやドラマで話題となり、今や関連本やビデオの発売、あげくには京都にある晴明神社が観光スポットの一つになってしまったほどです。もちろん我が国のローカル・アカデミー賞総なめ。
たしかに平安という雅な時代を背景に、3人のそれぞれ異なったキャラの立つ、なかなか面白い作品です。
監督は、「病院へ行こう」「バッテリー」「おくりびと」の滝田洋二郎。成人映画もバンバン作ってる、なかなかの事氏です。
この陰陽師の影響は、実は現代にも生きていて、皆さんが「大安」とか「仏滅」とか「先勝」とか言ってるのはこの名残。
そんなこんなもお勉強しつつ、狂言師のときとは一味違う飄々とした演技の野村萬斎をご堪能ください。
出演:野村萬斎,伊藤英明,真田広之,小泉今日子,今井絵理子,岸部一徳,柄本明,萩原聖人,夏川結衣,宝生舞,矢島健一,石丸謙二郎,石井愃一
監督:滝田洋二郎 2001年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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