2013.06.18

Movies

邦題:ノルウェイの森

1960年代の若者の生き様を描いたドラマ。772本目の映画投稿です。

ワタナベ(松山ケンイチ)とキズキ(高良健吾)は神戸にある高校の親友。直子(菊地凛子)はキズキの恋人でした。

norway.jpgキズキが自殺した後、ワタナベは東京の大学に進みます。学生運動で揺れる学内。1年を過ごしたある日、彼は直子と1年ぶりの再会をし、二人は週末デートを重ねます。

ワタナベにはゲームのように女遊びをする永沢(玉山鉄二)という先輩の友人がいて、彼も何人かの女の子とベッドを共にします。

1年後の直子の20歳の誕生日、ワタナベは初体験の彼女と寝ます。そして彼女はそのまま下宿を引き払い、ワタナベの前から姿を消します。

ご存知、村上春樹の大ベストセラーの映画化作品です。筋書きらしい筋書きはありません。60年代の青春群像。

いつの時代にも普遍的な青春群像という「マエガキ」がありますが、これはやはり60年代に大学生活を送った人たち対象の物語だと思うのは私だけ?

ベストセラー小説の映画化というのはもちろんそれなりに難しいもので、特に本作のようなイメージ先行の作品の場合はなおさらでしょうね。

それにしても、長い133分。いくらイメージが大事だといっても、半分カットしても伝えることはできるのでは?

というか、いつもお話してますが、2時間という限られた制限の中で何をどう伝えるかが、監督に問われる資質のひとつであり、邦画では時折、こういった映像垂れ流し的な作品があって、またか・・・の感いなめません。

結局、私小説であることを超えた名作であるけれど、所詮それが私小説の世界であることを忘れ、大衆受けに向かうとこうなってしまうのでしょう。

ただ、テーマ不足の邦画にあって、興行収入14億円はたいしたものです。

個人的には、明かして欲しくない日記のような居心地の悪さが終始あって、やはり孤独に読むだけにしておけばよかった。2時間を越える現代版日活青春映画の一作でしかありません。

私小説の大作化の失敗例として・・・。

出演:松山ケンイチ,菊地凛子,水原希子,高良健吾,霧島れいか,初音映莉子,玉山鉄二,柄本時生,糸井重里,細野晴臣,高橋幸宏

監督・脚本:トラン・アン・ユン 2010年

BOSS的には・・・★★☆☆☆

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