2013.08.31
LENT 邦題:レント
80年代のニューヨークを舞台に、貧しくとも夢を忘れない芸術家志望の若者たちを描いた同名の大ヒットミュージカルの映画化作品。783本目の映画投稿です。
1989年のニューヨーク。クリスマス・イブの夜、イースト・ヴィレッジのロフトに住むエイズ患者の元バンドメンバー、ロジャー(アダム・パスカル)と、ドキュメンタリー映像作家を目指すマーク(アンソニー・ラップ)は、家賃滞納で電気も止められていました。
結婚することで資産家となった昔の仲間ベニー(テイ・ディグス)が家賃の督促にやってきますが、実は彼は仲間のために新しいスタジオを建てることを夢見ていました。
久しぶりに街に戻った哲学教授のコリンズ(ジェッセ・L・マーティン)は暴漢に襲われ、ドラァグ・クイーンのエンジェル(ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア)に助けられます。お互いにエイズという同じ病気を抱えていることを知り、二人は恋に落ちます。
クリスマスの日。ベニーの進める立ち退き計画に抗議するため、パフォーマンス・アーティストのモーリーン(イディナ・メンゼル)がライヴを行っていました。彼女はマークの元恋人でしたが、今は同性の女性弁護士のジョアンヌ(トレイシー・トムス)と付き合っています。
ロジャーも階下に住む麻薬中毒のダンサー、ミミ(ロザリオ・ドーソン)と交際を始めます。ミミもHIVに感染していました。
大晦日。ついにロフトが閉鎖されます。
基本、ミュージカル仕立てになっていて、ロック&ポップス系の軽快な歌が全編流れます。
貧しい芸術家たちが金も無いクリスマス・イブの夜に台本を燃やす・・・って、まんまプッチーニの「ラ・ボエーム」なわけで、原作者もこのオペラに影響を受けたそうです。
そういう意味で、ラ・ボエームの現代版というお話なのですが、誰も彼もHIVという異常な世界。アメリカが舞台ですから、ミミとロドルフォはミミとロジャーになってますが・・・
自らの芸術的な自己表現を生きがいにしたいと願い夢見る若者たちには共感しますが、どうもそこのところが引っかかってしまい、感情移入できないまま物語は進みます。
曲自体はみな、シングルヒットこししないもののどれもこれもよくできてますし、無名の役者さんたちもなかなかいいキャラクター出してはいるのですが、いかんせんミュージカルもあまり好きでないし・・・。
結局、HIVがひとつのキーワードになるわけで、どうも歳をとると妙な道徳観みたいなものが頭をもたげ、そもそもHIVというものが人間のおごりが生んだ不治の病だと思っている私にとっては、心から感動できないでいるのですが、もっとプレーンに観ることが出来れば、きっと素敵な作品なのでしょうね!
というか、現代はHIV自体がもう当たり前の、風邪みたいな病気になってしまったのでしょうか?
出演:ロザリオ・ドーソン,アダム・パスカル,アンソニー・ラップ,ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア,トレイシー・トムズ,テイ・ディグス,ジェシー・L・マーティン
監督:クリス・コロンバス 2005年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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