2013.10.14
Executive Decision 邦題:エグゼクティブ・デシジョン
テロリスト集団にハイジャックされたジャンボ機内に潜入し、危機を回避すべく奮闘する男たちの姿を描いたパニック・アクション。793本目の映画投稿です。
アメリカの首都ワシントンDC行きのジャンボ機がハイジャックされます。テロリストの主犯格ハッサン(デイヴィッド・スーシェ)は、イギリスで逮捕された組織のリーダーの釈放を要求します。
ペンタゴンでの緊急会議の席上、米陸軍情報部顧問のグラント博士(カート・ラッセル)は「世界一殺傷力の強いソ連製の毒ガスDZ-5を盗んだ彼らの真の狙いは、ワシントンだ」という驚くべき仮設を唱えます。3ヶ月前には彼の立案で、トラヴィス中佐(スティーヴン・セガール)の率いる米陸軍テロ対策特殊部隊がトリエステ郊外で毒ガス奪回作戦を決行しますが、失敗に終わっていました。
ジャンボ機をワシントンに着陸させれば、4千万人の命を危険にさらすかも知れず、洋上で撃墜すれば400名あまりの乗客を犠牲にしなければならない。
中佐は、未だ実験段階の空中輸送機を大西洋上8000mでドッキングさせ、特殊部隊のメンバーを機内に送り込むことを提案します。
作戦は認められ、中佐とラット(ジョン・レグイザモ)、キャピー(ジョー・モートン)、ルーイ(B・D・ウォン)ら、そして実戦経験のない博士らは、輸送機を設計したケイヒル(オリヴァー・プラット)と共に、輸送機に乗り込みます。
テロリストにハイジャックされたという航空機パニックアクションの定石的作品。ここで大切なことは、いかに複線とか新たな危機を自然に生み出して、2時間ずっと観る者をハラハラドキドキさせ続けられるかとなります。
カート・ラッセルにスティーヴン・セガールという2大B級スターに、スチュワート・ベアード初監督作品となると、まあそれなりの作品かと思いきや、これがなかなかよくできている。
無理な展開も全くないわけではありませんが、そんなことをとやかく言っていては、この手の作品は堪能できません。
実は監督のスチュワート・ベアード、なかなかいい作品の編集時代が長く、作品には「オーメン」「スーパーマン」「リーサル・ウェポン」「ダイ・ハード2」などなど。
監督としての技量は別にして、この辺の経験がスピード感や物語的展開にいい影響を及ぼしているのでしょう。
カート・ラッセルと言えば、「バックドラフト」の印象が強いのですが、多分その感覚は正しくて作品的にはあれがピークですかね。いや、あの作品でのマカフレイ役は素晴らしかったし、数年前の「テキーラ・サンライズ」も大好きな映画です。
ヒロイン扱いのハル・ベリーは、たいした演技はないのですが、この手の作品の映像の中での一息つける美貌を堪能できるカットが用意されています。数年後、X-MEN、そして007への大抜擢に繋がってゆきます。
9.11以降はこういう表現はよくないのでしょうが、「ご家族でお楽しみいただける」娯楽パニック作品です。
出演:カート・ラッセル,ハル・ベリー,ジョン・レグイザモ,オリヴァー・プラット,ジョー・モートン,デイヴィッド・スーシェ,B・D・ウォン,J・T・ウォルシュ,スティーヴン・セガール
監督:スチュワート・ベアード 1996年
BOSS的には・・・★★★☆☆
もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」