2013.10.25
邦題:紅の豚
第一次大戦後のイタリアを舞台に、豚に変身してしまった飛行艇乗りの夢とロマンを描いたジブリ・アニメ。795本目の映画投稿です。
第一次世界大戦時にイタリア軍のエースパイロットだったポルコ・ロッソは、空中戦の最中に死に直面し、それがもとで豚に変身してしまいます。
その戦闘で親友をなくし空軍を辞め、今はアドリア海一体にはびこる空賊を捕まえる賞金稼ぎをしていました。
一方、ポルコを煙たがる空賊たちは用心棒にアメリカ人のパイロット、ドナルド・カーチスを雇い入れます。
不調のエンジン修理に向かうポルコは、待ち伏せしていたカーチスに撃墜されてしまいます。
壊れた愛機をなんとか昔馴染みの修理工場ピッコロ社に運び込んだポルコは、そこでピッコロの孫娘フィオと出会います。彼の機の設計をするという彼女に疑心暗鬼せしたが、彼女の熱意に負け、仕事を任せることになります。
そしていよいよ新しいポルコ号が完成し、二人は機に乗り込み一路故郷を目指します。
宮崎駿作品の中では、最も硬派といいますか、ハードボイルドな作品。といっても舞台はイタリア、「金と女と名誉」のために争いあう男の物語です。
主人公が豚というのがありがちな物語にユーモラスな華を添えているわけですが、彼がなぜそうなったのか、どうやったら元に戻れるのかというあたりをもう少し説明して欲しかったですね。
アニメでは難しい飛行艇の飛行シーンも、そこそこ納得の出来です。新しいポルコ艇のエンジンに「GIBLI」と書いてあるのは、ちょっとした製作者のいたずらですね。
これがジェット機だとこういう展開にはならないし、飛行艇ならではの海を舞台にしたところが、ただの戦闘ものではないロマンを増幅しています。
しかし2時間と言う制約の中で、どうしても展開優先となり、基本的なプロットである豚の話とか、友人たちとマダム・ジーナとの関係とか、説明的なところがやや不足していて、このあたりまで詰められ、さらにエンディングを仕上げれば、完璧な冒険ロマン映画になったでしょうね!
ちなみに、ジブリ関係では最も好きな作品。もちろん、豚に完全に感情移入です。
出演(声):森山周一郎,加藤登紀子,岡村明美,大塚明夫,関弘子,六代目桂文枝,上條恒彦
監督・脚本・原作:宮崎駿 1992年
音楽:久石譲
主題歌:加藤登紀子
BOSS的には・・・★★★★☆
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