2013.11.06
JFK 邦題:JFK
「ダラスの暑い日」で知られるアメリカ大統領ジョン・F・ケネディ暗殺事件を、新たな調査資料を基に検証したほぼノンフィクションのドラマ。アカデミー賞撮影賞・編集賞受賞作品。798本目の映画投稿です。
1963年11月22日、テキサス州ダラス。パレード中の合衆国第35代大統領、ジョン・F・ケネディが暗殺されます。
暗殺後2時間もしないうちに別件の警官殺しの容疑で逮捕されたリー・ハーヴィー・オズワルド(ゲイリー・オールドマン)が大統領暗殺の犯人だと発表され、さらにオズワルドはダラス警察本部の地下駐車場でナイトクラブの経営者ジャック・ルビー(ブライアン=ドイル・マーレー)に銃殺されます。
ニューオリンズ州の地方検事ジム・ギャリソン(ケヴィン・コスナー)は、一連の手際のよい逮捕と口封じとも思える殺害に疑問を抱きます。
ギャリソンは匿名の電話情報からオズワルドの軍隊時代の教官であったデイヴィッド・フェリー(ジョー・ペシ)を訊問しますが、その後FBIに拘留された彼はすぐに保釈となります。そしてケネディの後を継いだジョンソン大統領が設置した調査委員会も、オズワルドの単独犯行と結論付けます。
3年後、ケネディが反対していたベトナム戦争は泥沼化していました。ギャリソンはあらためてこの暗殺事件を秘密捜査することを決意し、最初の匿名の電話の主であるジャック・マーティン(ジャック・レモン)をはじめ、数々の目撃者、関係者に聞き込みを行います。
やがて軍の極秘任務であるキューバ侵攻のゲリラ作戦、「マングース計画」を進めていた元FBI捜査官ガイ・バニスター(エドワード・アズナー)やフェリーらが暗殺を図ったこと、首謀者は実業家として知られるクレー・ショー(トミー・リー・ジョーンズ)であることを突き止めます。
この事件は、TVなどでも何度か取り上げられ、FBIの当時の長官であるフーヴァー首謀説や妻のジャクリーン共謀説など諸説さまざまありましたが、本作は実際に関係者と目されるクレー・ショーを逮捕起訴した実在の地方検事ジム・ギャリソンの著作「JFK ケネディ暗殺犯を追え」を元に、人の本性を語らせると右に出る人のいない名監督、オリバー・ストーンがメガホンを取った作品です。
主人公を演じるケヴィン・コスナー、実直なアメリカ人を見事に演じています。脇を固めるキャスティングも豪華。ジョー・ペシ、トミー・リー・ジョーンズ、ゲイリー・オールドマン、ジャック・レモン、ウォルター・マッソー、ドナルド・サザーランド、ケヴィン・ベーコンなどなど、個性派演技派の面々です。
3時間にも及ぶ大作ですがテンポよく物語りは展開し、あっという間にエンディングを迎えます。
ラスト近くの法廷でのギャリソンの陳述がまた素晴らしい。奥底に理念とか思想のある言葉がいかに心に響くかを知らされます。
まあ、ケネディ自体もマリリン・モンローとのゴシップやマフィアとの関係もいろいろあったようですし、これまで4人もの大統領が暗殺された「自由の国」アメリカの出来事ではありますが、事件を知らない方も純粋にドラマとして十分楽しんでいただけるのではないかと思います。
出演:ケヴィン・コスナー,シシー・スペイセク,ジョー・ペシ,トミー・リー・ジョーンズ,ゲイリー・オールドマン,ジャック・レモン,ウォルター・マッソー,エドワード・アズナー,ドナルド・サザーランド,ケヴィン・ベーコン,ジム・ギャリソン,ジョン・キャンディ
監督・脚本:オリヴァー・ストーン 1991年
原案:ジム・ギャリソン
BOSS的には・・・★★★★☆
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