2014.01.18
Slumdog Millionaire 邦題:スラムドッグ$ミリオネア
インドのスラム街で生まれ育った若者がつかんだ一攫千金のチャンスと、これまでの生き様を綴ったドラマ。インド映画っぽいですが、イギリス映画です。アカデミー賞作品賞・脚色賞・撮影賞・編集賞・作曲賞・録音賞受賞作品。814本目の映画投稿です。
インドのスラム街で生まれ育った二人兄弟の弟ジャマール(デーヴ・パテル)は、人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演していました。
同じスラム出身で賞金を勝ち取った経歴を持つ司会者プレーム(アニル・カプール)の執拗な挑発にのることなく、難解な問題を次々とクリアし、いよいよ最後の問題にまでたどり着きます。
これに正解すれば、賞金は2000万ルピー(日本の物価換算で約3億円)。トラップをもかわしたジャマールに危機感を感じたプレームは、最後の問題を控えて一日目の収録が終わったところで警察に通報し、詐欺で告発します。
一晩中続けられた拷問にも屈しなかったジャマールは、警部(イルファン・カーン)に向かって実は答えがすべてこれまでの自らの波乱に満ちた人生の中にちりばめれていたことを告白します。
兄のサリーム(マドゥル・ミッタル)と弟のジャマール。兄弟は幼い頃、イスラム弾圧の暴徒に母を殺され孤児となります。同じく孤児の少女ラティカ(フリーダ・ピント)と出会い、3人は自分たちを三銃士に見立てて過酷な人生を生き抜いてゆきます。
やがて食事を与えてくれる施設に流れ着いた3人でしたが、そこは子供たちを使って小銭を稼ぐ組織でした。あやうく失明されそうになる前にそこを逃げ出した3人でしたが、ラティカは逃げ遅れ、生き別れとなってしまいます。
窃盗や偽の観光ガイドなどをしながらの日々。それでもジャマールには、ラティカとの再開という夢と心の支えがありました。それは幼くも淡い恋心でした。
さまざまな賞を総なめにした話題作。てっきりインド映画だと思っていましたが、実はイギリス映画でした。
スラム街生まれ育ちの若者が一夜にして億万長者になるのが何故面白いのかと思いましたが、面白かったです。
いや、実際のインドの貧困層の暮らしを少し誇張して映像化されているだけなのですが、普段目にすることのない貧しい、生きるのがぎりぎりの日常の中で逞しく生きる子供たちの姿に感動します。
実際はかなりイギリス人のバイアスがかかっているでしょう・・・というのも、インドは独立前は長らくイギリスの植民地でした。多くのイギリス人の目には、あくまでも未開の植民地化すべき国という刷り込みがあるはずですから。
そんな中で、逞しく生きるだけでなく、幼い初恋を心の支えに生き抜こうとする主人公のピュアな生き様が、うすら汚れたおじさんたちの心を打ちます。
まあ、多少出来レース的なところはありますが、未だ見ぬインドを堪能しながら感動を得られる、いい映画でした。
出演:デーヴ・パテル,アニル・カプール,イルファン・カーン,マドゥル・ミッタル,フリーダ・ピント
監督:ダニー・ボイル 2008年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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