2014.11.18
Love in the Afternoon 邦題:昼下がりの情事
ゲイリー・クーパー、オードリー・ヘプバーンという2大俳優を向かえ、ビリー・ワイルダーが描いたラブ・コメディ。834本目の映画投稿です。
パリで私立探偵業を営むクロード・シャヴァッス(モーリス・シュヴァリエ)は、アメリカの億万長者フラナガン(ゲイリー・クーパー)の素行調査をしていました。
証拠を見せられた依頼人は、シャヴァッスのオフィスでフラナガンを殺すといきまきます。それを聞いていたシャヴァッスの愛娘アリアーヌ(オードリー・ヘップバーン)は、チェロの練習に音楽学校に出かけるものの、ことの成り行きが気になって仕方がない。
フラナガンのパリでの定宿に出かけたアリアーヌは、そこでピストルを忍ばせた依頼人と出くわします。彼女の機転で夫人は逃れ、危ういところを助けられたフラナガンは彼女と翌日午後の約束を交わします。
日ごろから父の調査結果を盗み見しフラナガンの素性を知っていた彼女は、デートなどすまいと思ってはいたものの、結局ホテルを訪れることにします。
美しい音楽とおいしい食事、すっかりフラナガンのお決まりの手に落ちてしまったアリアーヌ。しかしやがて彼がパリを去る日がやってきて、二人は世慣れた遊び人のようにあっさりと分かれます。
しかし、初めて激しい恋に落ちたアリアーヌは、次の日から恋病に陥るのでした。
元祖ラブコメ監督のビリー・ワイルダーが、「ローマの休日」「麗しのサブリナ」で売り出し中のオードリー・ヘプバーンと、当時脂の乗り切っていた美男名優ゲイリー・クーパーを迎えてのおかしくも感動のラブ・コメディです。
二人に加えて、彼女の父親役のモーリス・シュヴァリエの飄々とした、しかし父親らしい演技も二人の恋を際立たせています。
どこかで耳にした事のあるテーマ曲も美しく、前半の下世話な展開をただのドラマから救ってくれています。
1957年といえば、私の生まれた年。敗戦から12年、当時日本人は高度成長期の中でアメリカやヨーロッパに憧れを抱いていた時代です。そんな時代にこんな作品を世に送り出していたハリウッドには、はやり驚きと尊敬、歴史の重さを感じざるを得ません。
まあとにかく、ヘプバーンの愛らしさを十二分にご堪能ください。
出演:ゲイリー・クーパー,オードリー・ヘプバーン,モーリス・シュヴァリエ,ジョン・マクギバー
製作・監督:ビリー・ワイルダー (1957年)
原作:クロード・アネ
BOSS的には・・・★★★☆☆
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