2014.12.21
邦題:しゃべれども しゃべれども
うだつのあがらない若手噺家をめぐる仕事と恋の物語。佐藤多佳子の同名小説の映画化作品。840本目の映画投稿です。
古典ものをこよなく愛する二つ目の落語家・今昔亭三つ葉(国分太一)は、思うように腕の上がらない自分の芸に対して、悶々とした日々を過ごしていました。
そんなある日、落語を通じて話し方を習いたいと、3人の変わり者が彼の元を訪ねてきます。無愛想で口下手な美人、十河五月(香里奈)。阪神ファンで勝気なためにクラスに馴染めない大阪から引っ越してきた少年、村林優(森永悠希)。毒舌でいかつい面相の元プロ野球選手、湯河原太一(松重豊)。
彼らのために、祖母の春子(八千草薫)と二人で暮らす自宅で教室を開いた三つ葉でしたが、ちっとも落語を覚えようともせず言い争いばかりが続きます。
いらだつ三つ葉に追い討ちをかけるように、密かに想いを寄せていた祖母の教室の生徒で村林の叔母、郁子(占部房子)から結婚すると告げられます。
郁子の腐った弁当に当り、悶絶しながら尊敬する師匠、今昔亭小三文(伊東四朗)の落語を寄席で聞いた三つ葉は、改めて自分には落語しかないことを実感します。
東京の下町、若い落語家が主人公の人情物語。まあ、現代風新作落語といった趣でしょうか?原作者はきっと、落語好きなんでしょうねぇ。
国分太一が主人公の悩める噺家をうまく演じてます。キャスティングもなかなか優秀で、物語に付随するさまざまなことを演出しながら物語りは進んでゆきます。
ただ、閑話休題的な映像が都電一辺倒で演出的映像的にちょっとどうかの?と思うこともあり、またエンディングの三つ葉の台詞は、それまでの2時間を台無しにする下手な落ちになってしまってます。
原作を読んでいないので、この辺は原作どおりなのか、脚本家の手によるものなのかはわかりませんが、こういう決め台詞の下手さが未だに邦画の幼さを感じる部分です。
まあ全体的にはほんわかとしたいい映画ではないでしょうか?
出演:国分太一,香里奈,森永悠希,松重豊,八千草薫,伊東四朗
監督:平山秀幸 2007年
脚本:奥寺佐渡子
原作:佐藤多佳子
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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