2015.01.05

Movies

Awakening 邦題:レナードの朝

30年にわたる昏睡状態の患者と、彼等を救おうと奮闘する医師を描いたドラマ。実在の精神科医師オリバー・サックス著作の医療ノンフィクションの映画化作品。843本目の映画投稿です。

1969年、ニューヨークの北東部に位置するブロンクス。慢性神経病患者専門のベインブリッジ病院に赴任してきたマルコム・セイヤー(ロビン・ウィリアムズ)は、無口で人付き合いの苦手な男でしたが、患者に対する態度は真摯でした。

awakening.jpgある日、話すことも動くことも出来ない彼等にも反射神経が備わっていることを発見しますが、それがなぜなのかを見つけることが出来ませんでした。

患者の中の一人、レナード・ロウ(ロバート・デ・ニーロ)も、11歳で発病し30年前にこの病院に入院して以来、意識はあるものの半昏睡状態の日々をずっと過ごしていました。

護婦のエレノア(ジュリー・カブナー)らの協力を得ながら、マルコムはパーキンソン病患者向けの薬をレナードに投与し、ついにある日奇跡が起こります。が・・・

嗜眠性脳炎という第一次世界大戦時に流行したウィルス性脳炎の患者と、彼等に向き合い治療を試みる医師の物語です。

主演は医師のロビン・ウィリアムスではなく、数十人の患者の中の一人を演じたロバート・デ・ニーロです。

他の医師のように治療をあきらめてただ見守るだけでなく、さまざまな思考や知見から投薬治療の可能性を見出し、リスクの高い人体実験を行い奇跡的な回復をとげるものの、結局は耐性という問題が彼等の行く手を阻んでしまいます。

結局、治療自体は失敗に終わるわけで、奇跡で終わらせないところはハリウッドらしくないんだけれど、失敗から学ぶにはあまりにも実際の人間の心の問題に深くかかわりすぎています。

そこの問題がアカデミーをノミネートまでにしてしまったのではないと思いますが、あくまでもフィクションとして奇跡でフィニッシュさせたのでは、それはそれで軽薄短小なドラマになったでしょうし・・・。

キャスティング的にはまさにうってつけでしたが、変なリアリティなしに観ても、なかなか考えさせられる作品でした。

出演:ロバート・デ・ニーロ,ロビン・ウィリアムズ,ジュリー・カヴナー,ルース・ネルソン,ジョン・ハード,ペネロープ・アン・ミラー,マックス・フォン・シドー

監督:ペニー・マーシャル 1990年

原作:オリヴァー・サックス

BOSS的には・・・★★★☆☆

もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」

INDEX

CATEGORY

ARCHIVE