2015.01.06
Moliere 邦題:モリエール 恋こそ喜劇
17世紀に数多くの喜劇作品を残したフランスの劇作家モリエールの半生をユーモアたっぷりに描いた伝記ドラマ。844本目の映画投稿です。
13年間の地方巡業を終え名声を得た喜劇作家のモリエール(ロマン・デュリス)は、劇団を引き連れてパリに戻ってきます。そして、旅の始まりを回想します。
1644年、22歳のモリエールは、仲間とともに自らの劇団を立ち上げますが、借金がかさみ投獄されてしまいます。
そんな彼を救い出したのは、金持ちの商人ジュルダン(ファブリス・ルキーニ)。妻子がありながら美貌の伯爵夫人セリメーヌ(リュディヴィーヌ・サニエ)に恋した彼は、彼女のための自作の演劇を演じたいがために、借金の肩代わりにモリエールに演劇指南を依頼してきたのです。
断れば再び牢獄送りとなるため、やむなく引き受けたモリエールでしたが、氏の夫人エルミール(ラウラ・モランテ)と恋仲になってしまいます。
一方、ジュルダン氏は王とも親しいドラント伯爵(エドワール・バエル)にセリメーヌとの仲介を頼んでいましたが、彼自身がセリメーヌの心をつかみたいと腐心しており、しかも破産しかかっていたためにジュルダン氏をだまして大金を借りていたのでした。
生まれてこの方、2000本近く映画を観たでしょうか。評論できるほどの鑑賞力も文章力もありませんが、掴みといいますか最初の30秒でその作品の出来がいいか悪いか、なんとなくわかるようになってきました。まあ、たまにはどっちのはずれもありますが・・・。
で、本作はというと、これはなかなかじゃないかな?というのが掴みでした。
名前だけは知っていましたが、その作品には一度も触れたことがありませんでした。作品は、無名の劇作家兼劇団主役のモリエールが、ある富豪商人一家と出会ったことで喜劇作家として開花するまでの半生を、ユーモアたっぷりに描いた作品です。
ユーモアといっても、ハリウッドもののどたばたではなく、イギリスもののブラックなものでもなく、フランス独特の軽いタッチの、いやおそらく本来のユーモアにあふれた作品です。
そして個人的には、ジュルダン夫人役のラウラ・モランテがお気に入り。フランス顔というよりはイタリア顔ではありますが、なかなか魅力的な女優さんです。ってか、彼女、私より1歳年上なんですね!
そして登場人物の衣装もなかなか見ものです。シーンとかカットの美しさも、さすがフランス映画ですね!
現代ではいろいろな人と人との関わり方がありますが、当時からそして今でも何時、何処で、どのような人とどのような関わりを持てるかで、その人の人生って決まってしまうのだなと、ありきたりの当たり前のことを強く感じた作品でした。
そして、喜劇に乾杯!
出演:ロマン・デュリス,ファブリス・ルキーニ,リュディヴィーヌ・サニエ,ラウラ・モランテ,エドワール・バエル,ファニー・ヴァレット
監督:ロラン・ティラール 2007年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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