2015.01.17
Wyatt Earp 邦題:ワイアット・アープ
誰もが知る西部開拓時代のヒーロー、ワイアット・アープの波乱万丈の生涯を描いたドラマ。よくあるヒーローものではなく、史実に忠実に描かれた人間ドラマが繰り広げられます。847本目の映画投稿です。
1800年代中ごろのアメリカ中部イリノイ州。ワイアット少年は、厳格な父ニコラス(ジーン・ハックマン)に家族の絆と血のつながりの強さを教え込まれて育ちます。
成長したワイアット(ケヴィン・コスナー)は、弁護士を目指してミズーリ州で法律を学び、美しい娘ウリラ(アナベス・ギッシュ)と恋に落ち、結婚します。
しかし幸せな日々は長くは続かず、彼の子を身ごもったままウリラはチフスで命を落とします。悲嘆にくれたワイアットは、彼女との思い出の詰まった家に火を放ち、町を出て酒びたりの日々を過ごします。
酒を買う金欲しさに馬泥棒をして拘置所に入れられた彼は、保釈金を積んで助けてくれた父に会うことで目を覚まし、以降は酒を断ってバッファロー狩りで生計を立てます。
数年後、兄ジェームズ(デイヴィッド・アンドリュース)を訪ねてウィチタにやって来たワイアットは、誰も手が付けられぬ酔っぱらいを持ち前の豪胆さと銃の腕前で取り押さえたことで町の保安官助手に命じられます。
やがてダッジ・シティの連邦副保安官となったワイアットは、兄ヴァージル(マイケル・マドセン)、弟モーガン(リンデン・アシュビー)と共に、法の執行者として町に尽くします。
ある時、彼は肺病病みだが銃の腕は確かなドク・ホリデイ(デニス・クエイド)と知り合い、2人は親友となります。
その後銀鉱山でも一山当てようと、兄弟たちとアリゾナ州トゥームストーンに移り住みます。しかしこの町こそ、後に「OK牧場の決闘」で知られる凶悪なクラントン一家により無法状態となっていました。
「OK牧場の決闘」と言えば、バート・ランカスター&カーク・ダグラス出演の名作を思い出しますし、あの刷り込みが激しくて、アープ&ホリディってそうなんだって思ってしまうのは早計。実は、あの決闘の後、残党を掃討するも犯罪者として追われた二人は町を出て、アープはこの事件をハリウッドに売り込むことで後の人生を続けることが出来たというのが史実のようです。
作品中でも「英雄」と「現実」の狭間で葛藤する彼の心境が描かれています。
主演はネオ・アメリカンヒーローのケヴィン・コスナー。競演もジーン・ハックマンにデニス・クエイドと名優が脇を固め、なかなかしっかりとした作品となっています。
が、時間の中で生涯を描いたことで、ガンマンとしてのワイアット・アープの印象はちょっと薄くて、まあ史実に忠実といえばそうなのですが、娯楽作品としては若干物足りなくて、この辺はもう少しキャラクターを誇張してもよかったのではないかと思いました。
長年連れ添った内縁の妻を捨てて、若くて美人のユダヤ女性を選ぶあたりが、私にとってはちょっと冷酷な、でもあの時代の普通の野心家の一人としてはさもありなんな作品でした。
監督は、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」「レイダース/失われたアーク」「ボディガード」などの脚本や「再会の時」そして私の大好きな「偶然の旅行者」を監督したローレンス・カスダン。他の作品の彼らしさが出てるかといえば「?」ではあります。
ちなみに「OK牧場の決闘」とはいうものの、実は町はずれでの撃ち合いだったことを、本作で始めて知りました。
出演:ケヴィン・コスナー,デニス・クエイド,ジーン・ハックマン,ジェフ・フェイヒー,マーク・ハーモン,マイケル・マドセン,キャサリン・オハラ
監督:ローレンス・カスダン 1994年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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