2015.02.21

Movies

邦題:はやぶさ HAYABUSA

2010年に無事に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の、打ち上げ以降7年間にわたる関係者たちの努力と奮闘を描いたドラマ。858本目の映画投稿です。

2002年夏。宇宙科学研究所の室長であり教授の的場泰弘(西田敏行)による小惑星探査に関する講演会が開かれ、傍聴者の一人、かつて大学時代に自らも天文学者を目指しながら、今は神田神保町にある宇宙関連書籍専門店でアルバイトしている水沢恵(竹内結子)は、後援後的場に会い研究所で働くよう進められます。

hayabusa.jpg恵は対外協力室のスタッフとして萩原教授(高橋長英)のもとで働きながら、坂上健一(髙嶋政宏)が率いる小惑星探査機「MUSES-C」に搭載するためのカメラチームでも働くことになります。

探査機は、イオンエンジンによる推進で小惑星イトカワまで航行し、土質サンプルを回収して再び地球に帰還するという、NASAもなしえていないプロジェクトでした。

恵は、広報として子供たちにこれを説明しようとしますが、ついつい専門用語を駆使しすぎて子供には理解不能でした。

わかりやすい説明の必要性を感じた恵は、これまでの日本における探査機開発の歴史に触れ、坂上や今回のプロジェクト・マネージャーである川渕幸一(佐野史郎)の奮闘を知ります。そして子供たちに、「はやぶさ」と名づけられた今回の探査機をキャラクター化して説明するための絵本を作り始めます。

2010年6月の「はやぶさ」の帰還は、宇宙ファンならずとも大いに興奮し、日本の科学技術のレベルの高さを再認識したと同時に、紆余曲折を経て帰還し大気圏外で燃え尽きたその姿に涙したことでしょう。

本作は、8年以上にわたる関係者の奮闘と、幾度となく危機に瀕した航行を支えた頭脳と技術、そしてそれに応えて見事に地球に帰還した探査機の姿が、美しいVFXと共に描かれています。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)全面協力のもと、ほとんどの登場人物が実在の人物をモデルとしており、内容はほぼ事実に基づいたものとなっていますが、研究機関の成果内容を超えた物語にするために、水沢恵という架空のキャラを立てることで、わかりやすくまた身近な話題にすることに成功しています。

ちょっと変わった女の子、恵を演じた竹内結子、さすがの名演です。

彼女と実際の科学者たちの言動のバランスをとるのが的場泰弘役の西田敏行。個人的にはどうも好きになれないし、ふにゃふにゃした知性を感じさせない語りは正直カットしたい思いに駆られます。

モデルとなった的川教授のキャラとも違うようなのですが、本作を万人向けの娯楽作品にするためには、やむをえない人選なんでしょうね。

天文少年だった私は、はやぶさが流星になったシーンは涙なくして見られませんでしたが、おそらく一般の方も熱いものがこみ上げてきたことでしょう。

科学技術が感動を呼ぶ。いいことですよね!

出演:竹内結子,西田敏行,高嶋政宏,佐野史郎,山本耕史,鶴見辰吾,筧利夫,市川実和子,高橋長英

監督:堤幸彦 2011年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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