2015.02.27
Mystic River 邦題:ミスティック・リバー
大人になって再開した3人の幼馴染が、殺人事件に巻き込まれ翻弄されるさまを描いたサスペンス・ドラマ。アカデミー賞主演男優賞・助演男優賞受賞作品。861本目の映画投稿です。
かつては犯罪社会に身をおきながらも、今は雑貨店を経営するジミー(ショーン・ペン)と、貧しくて平凡な家庭を持つデイヴ(ティム・ロビンス)、刑事のショーン(ケヴィン・ベーコン)は、ボストンの下町、イーストバッキンガム地区で少年時代を共に過ごした幼なじみでした。しかしある日、デイブだけが男たちに連れ去られて性的な凌辱を受け、その日を境に3人はそれぞれの道を歩むようになります。
25年後。ある日、ジミーの愛娘が何者かに殺されます。相棒のホワイティー(ローレンス・フィッシュバーン)と共に捜査に当ることになったショーン。事件をきっかけに3人は再会します。そしてデイヴは事件の容疑者でもありました。
今も少年時代のトラウマに悩まされていたデイヴは、事件当日の深夜に血まみれで帰宅します。暴漢と喧嘩になったという夫の言い訳を信じきれない妻のセレステ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は、いとこの夫であるジミーに夫が犯人であると告白してしまいます。
警察に頼らず自らの手で犯人を殺すことを誓っていたジミーは、手下と共にジミーを呼び出します。
自ら俳優として大活躍後、監督として「許されざる者」「マディソン郡の橋」「スペース・カウボーイ」などの秀作を世に送り出したクリント・イーストウッドがメガホンを取った作品です。
基本のプロットは殺人事件の犯人探しという刑事ものなのですが、犯人は誰?という謎解きの要素が加わったクライム・サスペンスでもあり、また関係者の心模様も描き出したヒューマンドラマでもあります。
そういう複雑なドラマの主人公を見事に演じきったのがショーン・ペン、そしてティム・ロビンス。当然のごとくアカデミーを受賞します。
物語は決して予定調和などではなく、人の心のつづれ織りのちょっとした綾によって、思いもしない方向に展開してゆく。そのあたりを登場人物の心の光と影と共に緊張感を持って描きあげたすばらしい作品。内面描写では、同監督作品の中でもっともよく出来た作品ではないでしょうか。
出演:ショーン・ペン,ティム・ロビンス,ケヴィン・ベーコン,ローレンス・フィッシュバーン,マーシャ・ゲイ・ハーデン,ローラ・リニー,トーマス・グイリー,エミー・ロッサム
監督:クリント・イーストウッド 2003年
原作:デニス・ルヘイン
BOSS的には・・・★★★★☆
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