2015.02.25
邦題:日本沈没
日本を代表するSF作家、小松左京原作の大作を33年ぶりにVFX技術を駆使してリメイクされたSF作品です。860本目の映画投稿です。
地震や津波が立て続けに発生し、大混乱に陥った日本列島。その原因を探るため、科学者田所(豊川悦司)の指揮のもと、小野寺(草なぎ剛)と同僚の結城(及川光博)は深海調査船「わだつみ6500」で太平洋の深海に向かいます。
そこでは、バクテリアの発生により太平洋プレートが急速に沈下していることがわかります。得られたデータを下に田所がはじき出した結論は、「日本列島が1年後に沈没する」という衝撃的なものでした。
そんなことはありえないと一笑に付す学会。しかし首相の山本尚之(石坂浩二)は彼の学説を信じ、政府内に危機管理担当大臣を置きます。そしてその任を受けた鷹森沙織(大地真央)は、かつての田所の妻でした。
日本各地で深刻化する地震災害。そんな中で幼い少女美咲(福田麻由子)を救い出したハイパーレスキュー隊の阿部(柴咲コウ)と出会った小野寺。やがて二人はお互いに惹かれあってゆきます。
当時大ヒットした1973年の映画化以来の、33年ぶりのリメイクです。時代は変わり、最新のVFXを駆使した迫力映像となっています。また前作では苦悩する政府がメインとなっていましたが、本作では主演の草なぎ剛と柴咲コウの恋愛物語が物語の軸になります。
つまり未曾有のパニックの中での主人公たちの生きる姿がメインとなるわけですが・・・
まず、草なぎ剛、もはや演技とかいえないレベル。むしろ裏方の及川光博に感情移入してしまいそうになるほどプアーです。
そんな草なぎ剛と柴咲コウの心模様もまったくかみ合わない。また元夫婦といういろいろ仕掛けられるはずの設定である豊川悦司と大地真央も、ただの出演者レベル。
そういうわけで、まったく感情移入できず、またSFだからと割り切っても、いやいやそれは・・・というほどエキセントリックな展開にもついてゆけず、挙句の果てに感動的なはずのエンディングの脚本にドン引きしてしまいました。
本作のような作品を見ると、日本人にはこういう映画って永遠に作ることが出来ないのかなって思ってします。まあ本場ハリウッドでも、SFパニックってB級以下の作品が多いのも事実ではあります。
それにしても、日本人ってもっともっと細かく隅々まで気を配って物作りをする国民のはずですが・・・監督&脚本の罪です。
出演:草なぎ剛,柴咲コウ,及川光博,福田麻由子,吉田日出子,柄本明,國村隼,石坂浩二,豊川悦司,大地真央,富野由悠季
監督:樋口真嗣 2006年
脚本:加藤正人
原作:小松左京
BOSS的には・・・★☆☆☆☆
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