2015.03.09
邦題:ゼロの焦点(2009年)
失踪した夫の行方を追う妻が連続殺人事件に巻き込まれるサスペンス。松本清張の同名小説の生誕100年記念映画化作品。865本目の映画投稿です。
太平洋戦争の敗戦から復興を遂げ始めた昭和30年ごろ。結婚式から一週間、広告代理店に勤める鵜原憲一(西島秀俊)は仕事の引継ぎのために元の勤務地金沢に戻ったまま消息を絶ちます。
見合い結婚のため夫の過去をまったく知らない新妻の禎子(広末涼子)は、失踪の理由を知らないままに夫の足跡をたどって金沢を訪れます。
その地で禎子は憲一のかつての取引企業の社長夫人で、日本初の女性市長誕生に向けて選挙を支援している室田佐知子(中谷美紀)と出会います。
彼女の夫の経営する会社には、片言の英語を話す田沼久子(木村多江)という受付嬢がいて、決して出会うはずのない3人の運命が憲一の失踪を機に、複雑に絡み合いはじめます。
1961年の映画化(主演:久我美子、高千穂ひづる、有馬稲子)の際には、事件現場とされた「ヤセの断崖」が自殺の名所として有名となりましたが、本作ではそれを避けたのかむしろ原作に忠実に物語りは展開してゆきます。
基本の造りとしては推理小説ですが、海外物の様に探偵や刑事が解明かしてゆくのではなく、主人公の周りで時間の経過と共に真相が明らかになってゆきます。
ネタを知ってしまえばもうファイナル・サプライズはないわけで、それよりも終戦直後の米軍進駐や「パンパン」の存在など、社会派作品として観たほうがいいかも知れませんが、それでは訴えるものが弱かったり。
で、結局は3人の女優さんの個性とか絡み合いを楽しむ事になるわけですが、そういう意味ではなかなかいいキャスティングだと思います。個人的には広末涼子はあまり好きじゃなくて、木村多江がいいな。
昭和30年代の舞台設定には各所にかなりのVFXが使われており、それと知らされなければ普通の方にはわからないくらいの出来です。
一応、「日本」アカデミー賞受賞作品。
出演:広末涼子,中谷美紀,木村多江,杉本哲太,崎本大海,野間口徹,黒田福美,本田博太郎,西島秀俊,鹿賀丈史
監督:犬童一心 2009年
原作:松本清張
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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