2015.03.06
Spider-Man 3 邦題:スパイダーマン3
大ヒットしたスーパーヒーローアクション映画の第3作。巨額の制作費を投入して更なるヒットを目指した作品です。864本目の映画投稿です。
相変わらず人命救助に多忙だけれど、今や誰ものヒーローとなったスパイダーマンのピーター・パーカー(トビー・マグワイア)。恋人のMJ・ワトソン(キルスティン・ダンスト)は、念願のブロードウェイ・デビューを果たし、ピーターも彼女へのプロポーズを決意します。
ある夜、スパイダーマンは父の復讐を諦めない「ニュー・ゴブリン」となったハリー・オズボーン(ジェームス・ブランコ)に襲われます。激しい格闘の上ハリーを倒しますが、彼は記憶喪失となります。
その頃、マルコ(トーマス・ヘイ・デン・チャーチ)という脱獄囚が警察に追われ、とある研究施設で分子分解されてしまい砂の身体を持つ「サンドマン」となります。
舞台デビューが酷評されたMJに対して、名誉市民賞を受賞することになったスパイダーマン。二人の心はすれ違うようになります。
そんな折、ピーターは警察からベン叔父さんを殺害した真犯人はマルコであると告げられます。憎しみに囚われたピーターは、謎の黒い液体生物に包まれ、かつてとは段違いの身体能力を持つ「ブラック・スパイダーマン」となってしまいます。
物語は第一作、第二作の延長線上になります。しかし映像の贅沢さ(お金のかけ方)は、数十倍になりました。お馴染みの俳優たちの演技にも余裕を感じますし、脚本とかにも遊びを感じます。
凝りに凝ったVFX等、製作費には映画史上最高額となる2億5800万ドル(約290億円)が投入され、それまでの最高額だった2005年版「キング・コング」の2億ドル(約225億円)を大幅に上回ったそうです。
そういう知識を持ってみれば、なるほどと思わせるものがありますが、あの1作目のいわゆる「マーベル・コミック」らしさと言いますか、B級的な、マニアックな匂いは希薄になってしまい、前述の余裕の会話演技と合わせて、すっかり独立したエンターテインメントになりました。
そういう意味では、もともとのスパイダーマン・ファンの私としては若干寂しい気持ち。ピーターも心なしかおっさん顔になったし、何よりもキルスティン・ダンストに初々しさがなくなってしまいました。この辺が、3部作目の限界なのでしょうね。
本作はこれまでの2作の集大成といいますか、いろいろなことがリンクしてそれぞれの各作品の解決もしていますので、完結篇としては正しい作りになっていますが、ヴィランの数が多かったり、大作レベルに長かったりと、すっかり金満の香りに包まれてしまいました。
ただ製作側の狙い通り全世界で大ヒットし、もちろん多額の制作費はすっかり回収できたようでめでたし、めでたし。老若男女、心置きなく楽しめる作品ではあります。
出演:トビー・マグワイア,キルスティン・ダンスト,ジェームズ・フランコ,トーマス・ヘイデン・チャーチ,トファー・グレイス,ブライス・ダラス・ハワード,ジェームズ・クロムウェル,ローズマリー・ハリス,J・K・シモンズ
監督:サム・ライミ 2007年
脚本 アルヴィン・サージェント
BOSS的には・・・★★★☆☆
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