BOSS's Column

東北の片田舎を舞台に、ビッグバンドジャズに魅了された女子高生たちを描いた青春ドラマ。871本目の映画投降です。

東北地方のとある田舎町。夏休みの補習授業を受けていた女子高生鈴木友子（上野樹里）たちは、野球部の応援のため貸し切りバスで遠征した吹奏楽部の弁当を届けるために列車に乗って球場へと向かいます。

しかし届けた頃に弁当は痛んでしまい、それを食べた吹奏楽部員は次々に倒れ、引率の音楽教師伊丹弥生（白石美帆）ともども病院に搬送されます。

一方、野球部は試合に勝利し、次の試合までに応援団を編成することになった中村拓雄（平岡祐太）は、バンドのメンバーを集めますが、やってきたのは補習をやりたくない落ちこぼれの女子高生、鈴木や斉藤良江（貫地谷しほり）、リコーダーしか吹けない関口香織(本仮屋ユイカ)、ロックバンドが解散してしまった渡辺弘美（関根香菜）に山本由香（水田芙美子）ら17人。

ひょんなことで吹奏楽ではなくビッグバンドを形成することになった彼女たちは、猛特訓を始めますが、ようやく演奏の楽しさを感じ始めていた矢先、吹奏楽部部員が復活し、彼女たちの夏休みは終わります。

そんなひと夏を忘れられない友子や斉藤、関口らは今度は自分たちの楽器を何とか手に入れ、また練習を始めます。

日本アカデミー賞最優秀脚本賞・最優秀音楽賞・最優秀録音賞・最優秀編集賞・話題賞受賞作品です。

監督は「ウォーターボーイズ」の矢口史靖。今回は「男のシンクロ」ではなく「素人のスウィングJAZZ」がモチーフの、コミック作品です。

ただWB同様、最終的にはあるレベルにまでたどり着く少年少女が描かれていて、そこそこ感動もいたします。

この監督、ほかにも「ハッピーフライト」や「ロボジー」など、個人的な笑いのツボにはまっていて、かなりいい感じ。野球のスイングとJAZZのスウィングをかけるとこなんか、なかなかいいセンスしてます。

展開的にはかなり無理もありますが、まあ吉本新喜劇じゃないですがドタバタ劇にはありがちですから、その辺は目をつぶって笑いに身をゆだねましょう。

で、本作でその語の俳優像が決定してしまった上野樹里の演技もいいですが、個人的には関口香織役の本仮屋ユイカが一押し。

ただ惜しむらくは、同様のキャラ設定とはいえ、指導者がどちらも竹中直人なのは、わが国映画界の層の薄さの露呈かもしれません。

JAZZファンとしてもそこそこ楽しめる本作、ご家族でご一緒に！

出演：上野樹里,平岡祐太,貫地谷しほり,本仮屋ユイカ,豊島由佳梨,関根香菜,水田芙美子,竹中直人,白石美帆,谷啓

監督・脚本：矢口史靖　2004年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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