2015.05.27

Movies

The Accused 邦題:告発の行方

アメリカで深刻な社会問題となっているレイプ事件をもとに、愛や勇気、人としての生きるべき道や法の問題を描いたドラマ。アカデミー賞主演女優賞受賞作品。881本目の映画投降です。

ミルという名の街はずれの酒場から飛び出してきた若い男から、店内でレイプ事件が起こっていると警察に通報があります。そして彼の後を追うように店から半裸姿で飛び出してきた女性が、通りすがりの車を止めて乗り込みます。

accused.jpg被害者の名はサラ・トバイアス(ジョディ・フォスター)。酔ってマリファナも吸っていた彼女は、3人の男達に襲われたと訴えます。

サラから事情を聞いた地方検事補キャサリン・マーフィ(ケリー・マクギリス)は、彼女とダンカン保安官(テリー・デイヴィッド・ムリガン)を伴ってミルに行き犯人達を確認します。

捜査は進展しますが、被害者側に不利な条件が重なり、キャサリンは3人の容疑者を暴行ではなく過失傷害との裁定にするという取引に応じることにします。が、この事実を知ったサラはキャサリンを激しく責め、自身は深く傷つき悲しみにくれます。

ある日、当日現場に居合わせながら犯行を止めるどころか煽り続けたクリフ(レオ・ロッシ)は、街でであったサラをからかい、彼女は車ごと彼のトラックに体当たりして大怪我をします。

入院し身も心も打ちひしがれたサラの姿を見たキャサリンは、女性としてそして検事として真にあるべき道を教えられ、再び事件を裁判の場で争う決意を固めます。

1988年の作品です。強姦(レイプ)とは、相手の意志に逆らい、強要するかたちで性行為を行うこと。

21世紀になっても軽減されるどころか、アメリカでは解釈の拡大によりパートナー同士でも合意の無い性行為の強要をレイプとみなすことから、アメリカに住む女性の5人に1人がレイプ被害者だという公的報告もあります。

文明が進化し、さまざまに価値観が異常拡張されはじめると、いわゆるゲイやレズなどの同性間恋愛なども問題化し、それは種の保存に対立するものでもあります。

性衝動は本能に後押しされる生物として種の保存にかかわる重大な欲求です。しかし、人は尊厳を持って生まれた動物であり、種の保存よりも個の尊厳が尊重されるべきというのが近代の社会的考え方です。

体当たりの演技で主演女優賞を受賞したジョディの見事な演技。一方のケリーは、トップガンの頃よりは進歩していますが、基本的には演技派ではないので、まあこの辺が限界でしょうか?

ただ、扱う問題がデリケートなだけに、ジョディと向こうを張る演技派だと、ちょっとピリピリしすぎ、結果的にはこの二人のキャスティングで納得です。

マリファナを簡単に吸われる方は少ないと思いますが、飲酒とかその場の盛り上がりに身を任せてついつい・・・という方も、自分以外の人間の尊厳を傷つけることだけはくれぐれもありませんように!

出演:ジョディ・フォスター,ケリー・マクギリス,レオ・ロッシ,アン・ハーン,カーメン・アルジェンツィアノ,スティーヴ・アンティン,トム・オブライエン

監督:ジョナサン・カプラン 1988年

BOSS的には・・・★★★☆☆

もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」

INDEX

CATEGORY

ARCHIVE