2015.11.18
Spartacus 邦題:スパルタカス
いわゆるローマ帝国誕生前の共和政ローマの時代に、奴隷の剣闘士ながら反乱軍を率いて強大なローマ軍団に立ち向かった指導者の半生を描いた史劇。アカデミー賞助演男優賞:美術監督・装置賞・撮影賞・衣裳デザイン賞受賞作品。895本目の映画投稿です。
紀元前1世紀。ローマ共和国が隆盛を誇っていた頃、奴隷のスパルタカス(カーク・ダグラス)はバタイアタス(ピーター・ユスチノフ)の剣闘士養成所に売られて来ます。彼はそこで女奴隷バリニア(ジーン・シモンズ)と知り合います。
ある日、ローマの名将クラッスス(ローレンス・オリヴィエ)が養成所を訪れます。スパルタカスは余興にと親友の黒人奴隷ドラバとの真剣勝負をさせられます。ドラバは試合に勝ちますが、スパルタカスを殺さずクラッサスに襲いかかりますが、あえなく殺されてしまいます。
ひょんなことで喧嘩が始まり、スパルタカスは仲間たちと反乱を起こして養成所から脱出し、次々と貴族の所領を襲っては奴隷を解放して、ベスビアスの山腹に奴隷軍の拠点を構えます。離れ離れになっていたバリニアも、彼のもとに戻ってきます。
ローマの元老院では、グラッススとグラッカス(チャールズ・ロートン)が主導権争いを繰り広げていました。グラッカスの陰謀でグラッススの部下であるグラブラス(ジョン・ドール)を奴隷軍討伐に派遣し、かわりに友人のジュリアス・シーザー(ジョン・ギャビン)をローマ守備隊長に任命します。
奴隷軍はグラブラスを撃滅し、グラブラスは単身ローマに逃げ戻ります。
歴史上の人物、スパルタカスをハワード・ファストが脚色して描き、スタンリー・キューブリックが映像化した大スペクタクル作品。
キューブリックの名を一躍有名にした作品ですが、彼はこのスペクタクルを撮る事でハリウッドの圧力に嫌気が差し、その後は自ら製作を手がけることによってその後の「博士の異常な愛情」や「2001年宇宙の旅」、「シャイニング」「フルメタル・ジャケット」などの後々の名作を生むきっかけになります。
最初は、あまりの誇りっぽさ汚さに、一体どうなることかと思いながら観ていましたが、はがて奴隷たちが反旗を翻す頃にはすっかり判官びいきになってのめり込みます。
しかし史実は史実な結末が待っているだけに、ドキドキしながら後半を迎えるわけですが、なかなか浪花節なエンディングは物語としてはうまくクロージングしてるな!の感あり。
このあたりは、主演でありながら製作総指揮であるカーク・ダクラスの自作自演?だと、キューブリックも言ったとか、言わなかったとか・・・。
一方のローレンス・オリビエ。シェークスピア俳優としても有名な彼も、なかなかの名演です。彼のローマへの思いも、スパルタカスの正義の前ではかすれ気味ですが、この思いこそが後の帝政への布石となるのです。
ヒロインはジーン・シモンズ。もちろん、KISSのベーシストではありませんよ。昔風の美人ですが、美人です、はい。
出演:カーク・ダグラス,トニー・カーティス,ローレンス・オリヴィエ,ジーン・シモンズ,チャールズ・ロートン,ピーター・ユスティノフ,ジョン・ギャビン,ニナ・フォック
監督:スタンリー・キューブリック 1960年
製作総指揮:カーク・ダグラス
BOSS的には・・・★★★★☆
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