2015.12.20
Samurai Banners 邦題:風林火山
「風林火山」で有名な常勝武田軍の参謀として活躍した軍師山本勘助の波乱の半生を描いたドラマ。900本目の映画投稿です。
群雄割拠の戦国時代。軍師を志す浪人の山本勘助(三船敏郎)は、当時名君として名をはせていた武田晴信(萬屋錦之介)に仕官するために暗殺劇を仕組み、家老の板垣信方(中村翫右衛門)に恩を売ることで計略通り武田家の家臣となります。
翌年の天文13年(1544年)、晴信は勘助の進言で隣国信濃の諏訪頼茂を責め、勘助自身は諏訪の従属を条件の和議を整えます。
その後、頼茂3度目の武田家来訪の機に、勘助は部下に命じて頼茂を討ちます。主を失った諏訪高島城は難なく武田軍に落ち、勘助は全滅の城内で自害を図る寸前だった頼茂の娘、美貌の由布姫(佐久間良子)を救い出します。
父を殺した人でなしと罵られながらも、勘助は密かに由布姫に思いを寄せるようになります。しかしそこには身分の差が。やがて由布姫は跡取りのいない晴信の側室に迎えられ、後の武田勝頼を生みます。
かの黒澤明とともに東宝の時代劇の代表的な監督である稲垣浩が、かつて映画「宮本武蔵」でアカデミー賞外国語映画賞を取った時の主演であり名優三船敏郎を主役に配し、周りを当時の名優や主要な歌舞伎役者で固めた豪華キャスト本格時代劇です。
勘助の半生については様々な説があるものの、本作でも採用された江戸時代に武田家を描いた「甲陽軍鑑」をもとに井上靖によって描かれたものが有名ですが、その通りの人物はどうやらいなかったようで、まあどうこう言わずに勘助に感情移入するのが「風林火山」の楽しみ方の一つです。
最近では、2007年の大河ドラマ「風林火山」が、内野聖陽主演で同様の内容を50時間にわたって子細に語られていました。
三国志の時代の名軍師、諸葛亮孔明や勘助も学んだのは中国春秋時代の武将で軍事思想家の孫武が残したとされる「孫子」(孫子の兵法)。
「百戦百勝は、善の善なる者に非るなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。」
戦わずして勝つことを最も良しとした教えではありましたが、しかし「策士、策に溺れる」を地で行ったのも、策士家山本勘助でした。
出演:三船敏郎,佐久間良子,大空真弓,萬屋錦之介,十八代目中村勘三郎,中村翫右衛門,中村嘉葎雄,田村正和,中村梅之助,緒形拳,石原裕次郎
監督:稲垣浩 1969年
原作;井上靖
BOSS的には・・・★★★☆☆
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