2015.12.27
The Floating Castle 邦題:のぼうの城
戦国時代末期、北条攻めを開始した豊臣方の大軍を前にわずかな勢力で城を守り抜いた成田長親の実話を基にした物語。和田竜の同名ベストセラー小説の映画化作品。902本目の映画投稿です。
戦国末期の1590年。天下統一を目前にした豊臣秀吉(市村正親)は、最後の敵である関東の北条家を没すべく大軍を投じます。周囲を湖で囲まれ「浮き城」の異名を持つ北条家内の忍城に対し、秀吉は2万の大軍で攻め落とすよう寵愛している家臣の石田三成(上地雄輔)に命じます。
一方城下では、農民たちと楽しそうに戯れる一人の侍がいました。城主の成田氏長(西村雅彦)の従弟で、領民たちから「でくのぼう」を意味する「のぼう様」の愛称で呼ばれる成田長親(野村萬斎)でした。
秀吉軍迫るの知らせを受け、長親の幼馴染で歴戦のつわもの丹波(佐藤浩市)や豪傑の和泉(山口智充)、軍略の天才を自称する靭負(成宮寛貴)らの緊迫した軍議の席で、長親は呑気なことを言っては皆を唖然とさせます。
氏長は秀吉と密約を交わして北条家を裏切ることを決め、「秀吉軍とは一戦も交えずに速やかに開城せよ」との言葉を残して小田原に向かいます。
天下軍の威を借りなめ切った態度で交渉にやって来た長束正家(平岳大)と対面した長親は、一転戦うことを決意。丹波を始めとする武将たちや長親を慕う百姓たちも籠城に気勢を上げます。
こうして迫りくる2万の秀吉軍に対し、数千人の籠城の戦いが始まります。
史実に基づく戦国ドラマです。500人対2万人というのはいささか脚色過ぎてて、実際は武装した農民を含め約3000人の戦いだったようです。
実際に行われたとされるメインとなる水攻めのシーンは、北海道苫小牧に東京ドーム20個分の巨大なオープンセットを組んで撮影されたということでなかなかの迫力です。
ただ全体的にはTVドラマレベルの構成で、むしろ長親と城主の娘甲斐姫との秘められた恋愛模様などをもう少しクローズアップするとか、ドラマ仕立てにしたほうが訴えるものがあったような気がして、ちょっと中途半端な感じです。この辺が、犬童一心の限界でしょうか・
天真爛漫な主人公や周りの重臣、秀吉軍のキャスティングは正解なだけに、ちょっぴり残念な映画化が目的となった作品でした。
出演:野村萬斎,榮倉奈々,成宮寛貴,山口智充,上地雄輔,山田孝之,平岳大,西村雅彦,平泉成,夏八木勲,市村正親,佐藤浩市
監督:犬童一心,樋口真嗣 2011年
脚本:和田竜
BOSS的には・・・★★☆☆☆
もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」