2016.02.17
GODZILLA 邦題:GODZILLA ゴジラ
怪獣王国日本が誇るビッグネーム、「ゴジラ」のハリウッド・リメイク版。909本目の映画投稿です。
1999年、フィリピンの石炭採掘場で大規模な陥没事故が起こり、現場に呼ばれた生物科学者の芹沢博士(渡辺謙)は地下で化石となった巨大生物の骨とそこに寄生していたかのような物体を発見します。そして謎の寄生体のひとつが海に向かった痕跡が残されていました。
同じころ日本の地方都市である雀路羅市では、稼働中の原子力発電所で働くアメリカ人核物理学者のジョー・ブロディ(ブライアン・クランストン)は、発電所に近づきつつある謎の震動と電磁波に気づき緊急対策会議を招集します。
一方、技師で彼の妻のサンドラ(ジュリエット・ビノシュ)も炉心の調査に向かいますが、謎の咆哮と共に凄まじい揺れが襲い、放射能漏れが発生します。彼女を原子炉に残したまま分厚い防御壁は閉じられますが、結局発電所は倒壊してしまいます。
15年後。爆発物処理担当の軍人となったブロディ夫妻の一人息子、フォード大佐(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、久しぶりの休暇で妻子の待つサンフランシスコに戻りますが、日本で父親が不法侵入で逮捕されたという連絡を受け、急遽日本へ向かいます。
父が侵入しようとしていたのは、かつて一家の住んでいた街。そこは放射能汚染のために立ち入り禁止となっていましたが、実際は汚染は起こっておらず、かつて炉心があった場所には繭のようなものがあって、あの時と同じような振動と電磁波が発生していました。
邦画ゴジラシリーズ28作とは異なる、ハリウッド製2作目。不評だった前作の「GODZILLA」(1998)の恐竜ゴジラではなく、オリジナル「怪獣」ゴジラの進化形です。
これまでで最強のゴジラになりました。攻撃力自体は最終兵器としての放射熱戦なのは初代ゴジラと同じですが、とにかく防御能力の向上が著しい。通常の小火器はもちろんのこと、イージス艦からのミサイル攻撃を受けても傷ひとつつきません。
今回の戦いの相手はつがいの「ムートー」。ゴジラと同じく放射線をエネルギー源とし、またゴジラの体内に産卵し、そのことでゴジラとは敵対関係にあります。ただ個人的にはこのムートーの昆虫的な外観がいまひとつしっくりきません。
日本人の登場人物は、原作にリスペクトして芹沢博士役で渡辺謙。作品中では英語読みで「ガズィーラ」と皆が言っているけれど、彼だけは正しく「ゴジラ」と発音してるのが憎らしいですね。
プロットにはヒューマンドラマ要素を盛り込もうとしていますが、片方ででかい怪物が暴れまわっていると、なかなかしっとりとがじっくりという訳にはいきません。
そもそもの原爆投下や水爆実験に対するアンチテーゼの意味合いはすっかり薄くなりましたが、その分広く老若男女に受け入れられるエンターテインメントになりました。
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン,渡辺謙,エリザベス・オルセン,ジュリエット・ビノシュ,サリー・ホーキンス,デヴィッド・ストラザーン
監督:ギャレス・エドワーズ 2014年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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