2016.02.11
The Gauntlet 邦題:ガントレット
警察長官の悪事を暴く裁判の承認を護送するはみだし刑事と、それを阻止しようとする警察&マフィアの対決を描いた警察アクション。908本目の映画投稿です。
酒浸りの刑事ショックリー(C・イーストウッド)は落ちこぼれ。かつての同僚ジョゼフソン(P・ヒングル)は、デスクの仕事に出世していました。そんな彼がある朝、警察長官のブレイクロック(W・プリンス)に呼び出され、とある事件の検事側証人をラスベガスからフェニックスに護送する仕事を命じられます。
ラスベガス署に到着し、証人の売春婦マリー(S・ロック)を引き受けて空港へと向かおうとしますが、手配したレンタカーが爆発。救急車を奪ってマリーの家まで着いた二人。ブレイクロックに保護を頼みますが、家はパトカーに囲まれ激しい銃撃を受けます。
地下室から何とか逃れた二人は、途中パトカーを襲って州境を目指します。再びグレイクロックに連絡を取り保護の確約を取りますがマリーはそれを怪しみ、ショックリーも疑いを持ち始めます。
案の定、二人を下して州境についたパトカーは、待ち構えていた一団の一斉射撃を浴びます。
自分たちの命を狙っているのが警察長官だと理解したショックリーは、これまでの自分のうだつの上がらないキャリアに対峙するために、何としても証人をフェニックスの裁判所に届ける決心をします。
「オープニングの30秒でその映画の良し悪しがわかる。」
というのが私の持論なのですが、本作はいい映画を予感させる個人的に好き目のオープニング。JAZZ好きのイーストウッド監督・主演の作品です。
共演は、前作「アウトロー」の共演で彼と交際を始めたソンドラ・ロック。万人向けではありませんが、なかなか個性のある女優さんで、幾度となく彼の映画にも登場しています。
物語は、悪事を働く警察組織の権威者と落ちこぼれ刑事の対峙なのですが、「正義は勝つ」というような大上段から見るのではなく、警官が警官を撃てるか?というような小さな正義感がベースにあって、その辺をもう少しアピールできれば、ただのアクション映画ではなくなったような気もしますが、まあイーストウッド映画の物言わせぬ暴力的アクションの切れ味を薄めてしまってはダメですしね。
序盤の家襲撃、パトカー、そしてエンディングの長距離バスに対しての銃弾雨あられが見もの。ちなみに「ガントレット」とは西部開拓時代の私刑で、2列に並んだ人々の間を通り抜ける間に両側から棍棒や鞭で殴ってゆくと言うもの。
「そのサングラスとかお酒、どこから?」みたいな些細な突っ込みはせず、ハリー・キャラハンとはまた違ったキャラに挑戦したイーストウッドをお楽しみください。
出演:クリント・イーストウッド,ソンドラ・ロック,パット・ヒングル,ウィリアム・プリンス
監督:クリント・イーストウッド 1977年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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