2016.03.04

Movies

A Tunnel to the Sun 邦題:黒部の太陽

1956年に着工し1963年に完成した「世紀の難工事」と言われた黒部ダム建設の苦闘を描いたドラマ。木本正次の原作「日本人の記録・黒部の太陽」の映画化作品。911本目の映画投稿です。

関西電力は黒部川上流に第四発電所を建設するため、太田社長(滝沢修)総指揮のもと社運を賭けた黒四ダムの工事計画を発表します。間組の国木田(加藤武)と熊谷組の岩岡(石原裕次郎)は、現場責任者の北川(三船敏郎)の元を訪れ、工事の難しさを知らされます。

kurobe.jpg昭和31年8月、ついに始まった黒四ダムのトンネル工事は、半年後の翌年3月には犠牲者が16名を超え、4月には恐れていた事態、軟弱な花崗岩の破砕帯にぶつかります。翌月には山崩れと大量の地下水が作業員たちを襲い、この危機を乗り越えるためにさまざまな技術的検討がなされますが、工事は一向に進みませんでした。労務者が一人、また一人と現場から去ってゆき、士気は下がったままでした。

この事態を打開すべく、太田は限界なき資金的支援を約束し、間組は急遽新しい工法の準備を進めます。

平成生まれの人には何のこっちゃ?かも知れませんが、昭和生まれの我々にとって「黒四ダム」は戦後日本の大型建設プロジェクトの代名詞であり、難工事を克服した日本の建設業の誇りでもありました。

本作の題材にもなった難航した工事はダム建設そのものではなく、ダムを奥地に建設するための工事用道路トンネルの工事でした。

技術者としての大自然との闘い、男と男の戦い、親子の戦い。そして大きな目的に向かう男たちのドラマ。女性の方々や、平成をのんびり生きてきた人たちには濃すぎる映画かも知れませんが、私たち昭和人を理解する手立てになるかもしれません。

題材もさることながら、作品自体も前代未聞の我が国屈指の作品、戦争ではない男たちの真のドラマです。

出演:滝沢修,志村喬,佐野周二,三船敏郎,石原裕次郎,辰巳柳太郎,加藤武,宇野重吉,寺尾聰,二谷英明,樫山文枝,日色ともゑ,高峰三枝子,芦田伸介,

監督:熊井啓 1968年

BOSS的には・・・★★★★

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